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大平貴之先生の講演を聴いてきました2014/05/23

5月13日都内で行われました長年の弊社お客様主催の大平貴之先生の講演会で「地上最高の星空作りを目指して ~MEGASTAR開発ストーリー~」というテーマでした。

大平先生がセガトイズと共同開発した世界初の光学式家庭用プラネタリウム「HOMESTAR」はどこかで目にされたり、聞かれたりしたことがあるのではないでしょうか?現在ではバージョンアップしモデルチェンジしながら世界で60万台以上販売されているそうです。

さて、講演が始まり「1分間目を閉じて下さい」と言われ場内が真っ暗になりMEGASTAR(メガスター)を投影し、会場がプラネタリウムと化し、カウントダウンしてお客様に目を開けて頂くと場内に「オーーッ!」という歓声が沸き起こりました。私も鳥肌が立ちました。何と美しい夜空の再現でしょうか。BGMが流れる中、先生が解説されながらのまずはほんの数分間でしたが1,000万個の実在する星空の再現が出来るMEGASTARの凄さ、素晴らしさは十分体感できました。

2005年にフジテレビで放送された大平先生のプラネタリウム製作の自伝的ドラマ『星に願いを〜七畳間で生まれた410万の星〜』、大平先生を堂本剛、ライバルの天文学者を藤木直人、幼馴染で恋人役を優香という豪華メンバーだったが、本当はライバルもいなければ恋人もいなかったので、それでは民放の地上波では成り立たないということでプラネタリウム製作に関すること以外は脚色された。また実際にそういう人生を送ってきたので未だ独身。

子どもの頃はというと勉強はできるわけでもできないわけでもなかったが、整理整頓ができず、忘れ物も多く、「基本的生活習慣」が身に付いていないので周りの人に迷惑をかけ、困らせる子供だった。
そういう子供時代にプラネタリウムを見てそのメカニズムに興味を持ち、時間や場所を自由に変えてたくさんの星をいつでも自在に操り映し出すプラネタリウムを自分の部屋で作ってみたいと思った。

最初は夜光塗料で星を作り、簡単キットを購入し投影式へと移行、本物へ近づける為徹底的に仕組みを調べレンズが必要だとわかり、電話を掛け捲ったら親切なある工場の方がタダで大量のレンズを分けてくれたが小学生の力ではあまりにも無謀だと自身も悟り途中までしか作れなかったが、調べたことや失敗、試行錯誤したことが後に役立つことになる。

高校生になり文化祭でピンホール式プラネタリウムを上映し成功。ただ悩みもあり学校へ通うのに電車で90分も掛かり、同級生は短時間で通えるバイク通学で羨ましかったがバイクも免許も無いので何とかしようとジェットエンジンを自転車に付ければ早く学校に行けると道路交通法を知らない当時は真面目に考え、自宅の庭で近所迷惑を顧みず試行錯誤しながら実際にジェットエンジンを作ったがすぐにバラバラになった。

ものづくり魂に火がつき高度2,000m位まで上がる固体燃料ロケットも作った。航空法違反と火薬取締法違反で検挙される恐れがあるので決して真似しないで下さいと。

本当にあった話。知人は機体が電波を反射しレーダーに捕捉されやすいアルミ合金のロケットを海に向け発射したために沿岸部の警戒をしている米軍の厚木基地から戦闘機が出動し大騒ぎになりその人は大変な目に遭った。ちなみに大平先生のロケットの機体はカーボンファイバー製でレーダーには捕捉されにくいステルス性能を備えていたので何事もなかった。

その後大学に進学し小学生から高校生まで出来なかったプラネタリウムの夢に戻るが専門家にはレンズ式を個人で作るのは無理だと言われ、だったらもしこれが出来れば凄いことじゃないかと思い、諦めずに勉強し、様々な分野の多くの人に助けられ、星の写真のフィルムを使い自動で穴を開け焼き付けていく装置を自作し、約4年で最初に完成させたのがレンズ式プラネタリウム「アストロライナー」。

調子に乗り各地で上映会を開催していたら大きくて重くて不安定なため倒れ壊れてしまった。しかし一人で自分の家の2階から降ろしレンタカーに乗せ会場へ運び設置し、また自宅まで持って帰るために次はもっとコンパクトで軽く使いやすいものを作ろうと、重量は30kg以内、レンタカーのワゴン車を借りなくても普通乗用車で運べる大きさを目標に。当時お父さんの車のトランクに収まるサイズが縦横46cmまでだったのでこのサイズで作っていたらお父さんが車を買い替えてしまい、新しい車のトランクの大きさを測ると収まらず途方に暮れたがよくよく考えると助手席に載せればいいと気付いた。心無い友人は助手席にプラネタリウムを載せているのを見て「プラネタリウムがガールフレンドなんだね」と言われ「放っとけ」と思った。

そんな声にもめげずついに直径46cm、重量が27kgという目標を達成した「MEGA STAR」を完成させ、プラネタリウムの製造メーカーやプラネタリウムを上映する学芸員が世界中から集まる国際プラネタリウム協会のロンドン大会に一個人が作ったプラネタリウムを持ち込み世界に向かって初披露。上映前は個人レベルのものだから大したことはないと笑っていた人たちが、映し出された星空が参加者全員の予想を遙かに超えるもので100万個を超える星に驚き、質問攻めにあった。

今までのプラネタリウムは星座や星の勉強のための施設だったのが、美術館の上映では満天の星空を一面に映し出し、音楽と共に世界の様々な土地、波や風の音、オーロラなどを眺めながらゆったりと体験する内容だと既存の客とは層が全く違い大人のカップルがラブチェアーに腰掛け見ている。参加した綺麗な女性から後日手紙を貰い、運が向いてきたかと思いきや、「素敵過ぎて隣にいる恋人と結婚したくなりました」と書いてあり、「何だ俺じゃないんだ」と現実に引き戻されたが、よくよく考えるとオタクの自分が汚い場所(自身の部屋)で作ったものが綺麗な星空を作り出しカップルたちに結婚の機会を与えている、これは凄いことだと思った。これこそが少子化対策である、と。

今は港区の白金に「プラネタリウムBAR」もでき、シャンパン片手にお酒を飲みながら星を楽しめる場所もある。

大平先生の究極の目標は「ギガスター」。どんなものかお知りになりたい方は是非一度講演をお聴き下さい。

そして最後に再びMEGASTAR(メガスター)を投影し、流れ星もあり、星の動きもあり、きっと今日のお客様は非常に心地良い癒しの空間に身を委ね非日常を存分に楽しんで頂けたのではないかと思います。

淡々とした語り口の中に人柄の良さが滲み出て、決して自慢話ではなくものづくりに向かう真摯な姿勢、微笑ましい失敗などのエピソードを交え、成功までの道程を笑いも随所に入れながら聴いた後に余韻が残り、講演というよりはまるで読み聞かせのように感じました。
少し予算的には掛かってしまいますが是非MEGASTAR(メガスター)の投影はセットでお考え頂けた方がよりインパクトある心に残る講演会になること間違いなしです。

『新着講師』菅野朋子先生の講演を聴いてきました2014/04/15

4月10日名古屋で弊社お客様主催の研修会で菅野朋子先生の講演を聴いてきました。
「最近の労働トラブルと対処法」というテーマでした。
『講師同行サービス』を利用しての出張となりました。

余談ですが往きの新幹線では通路を挟んで私たちの隣の窓側の方の席に大村愛知県知事、すぐ前の席の窓側に朝日新聞の星浩氏(お世話になっておりますのでご挨拶させて頂きました)、通路を俳優の奥田瑛二氏が歩いておられ同じ号車、そして皆さん同じく名古屋で下車されました。

今回は講演とは言え実質は研修会です。
まずは労働法の基礎を「労働三法」から説明、労働トラブルの解決手段、放っておくと審判が確定し罰則も、審判官は労働者寄り、証拠となる資料を普段から揃えておくことが肝心。

近年のインターネットの発達により労働者側は相当の知識を持って声を上げることが増えた。

多いトラブルは「不当解雇、雇止め」「未払い残業」「セクハラ、パワハラ」で具体的な事例を挙げ使用者側が注意すべき点、対応策など。

過払い請求がひと段落し「未払い残業」請求に乗り換える弁護士が増えている。

「セクハラ、パワハラ」は被害者の“主観(例えば福山雅治ならOKだが脂ぎったチビ、デブ、ハゲおやじはNGといった)”が入り、特にパワハラは法律に規定がないため判例もまちまちで難しい。

やはり専門家である弁護士などに早期に相談し早急に解決することが大切。
長引かせて得することは何も無い。

最後に聴講者からかなり個別具体的な質問を3つほど頂き解説。時間の都合で司会の方が遮って下さいましたがまだまだ出そうでした。

パワーポイントを使いながらの90分の講演と質疑応答でしたが、今回は研修会ということもあり、また聴講者のレベルがかなり高かったので内容的にはマッチしていたと思います。さすが弁護士!というと叱られるかもしれませんが、今後研修会名目で「事業承継」「相続」「コンプライアンス」「人権問題」等はもちろん問題無くお勧めできます。
さらに菅野先生の壮絶ないじめ体験に基づく具体的な対応策や被害者だけでなく加害者となったらどうすれば良いかを含めじっくりと講演で聞いてみたいと思いました。

『人気講師』森 朗先生の講演を聴いてきました2014/04/07

3月19日都内で『人気講師』森 朗先生の講演を聴いてきました弊社お客様主催の講演会で「“たかが雨”では済まされない」というテーマでした。

最近はワイドショーが天気を取り上げる機会が増え呼ばれることが多くなった。去年は猛暑で「暑いからちょっと来て説明しろ」、今年は「大雪で寒いからちょっと来て説明しろ」と言われ「エアコンじゃないんだから」とのっけからお客様を解す様な面白いことを。

今年2/15~16の大雪、見事に気象庁は外し私も含め皆もちろん外した。この日帰宅途中に雪で電車が止まったりして歩くのも大変だったが丁度靴の裏に取り付けるゴムの滑り止めを持っていて助かった。これはたまたま今年仕事で北海道の苫小牧に行った際に新千歳空港のコンビニで購入したが、雪国は除雪が行き届いていて不要だったので鞄に入れていた。そのあと岩手の水沢に行ったら雪が多くて送迎して下さったがやっぱり寒かった。その後御殿場、静岡なら暖かいだろうと思って行ったらこちらもえらい寒くて今年はあちこちで寒い思いをさんざんした。と言われ「あれ、うちでお願いした仕事じゃないかな?」と思って調べたらやはり3か所全て弊社の仕事で行って頂いた所でした。私が聴講していたのできっとお気遣い下さったのでしょう。

暖かくなったので今週はTVに呼ばれないだろうと思っていたら番組から電話が来て「イカが獲れたのでおいでよ」食べさせてくれるのかなと思ったら「ダイオウイカが揚がったから解説しろ」「知らねーよ、イカのことまでわかりませんよ」みたいに何か自然現象が起きると番組に呼ばれるケースが増えてきた。

お客様に「年度末でお忙しくてお疲れでしょうし天気の話は理屈っぽいですからご無理なさらずにおやすみになられてもどうせ大して進んでいませんので」とこれまた下手に出ながらユーモアを交えとても上手です。

近年気象災害(土砂崩れや大雪など)による死者・行方不明者が増え、熱中症でも亡くなる方が増えている。個人的に一番ビックリしたのが2013年8/11に東京の最低気温が30.4℃。歴代2位の記録で上位の他の地域はフェーン現象が原因で全て日本海側。なぜ東京が?色々調べたら「ただ暑かっただけ」確かに天気図を見ると悪さをする原因は何も無かった。

最低気温が25℃以上の夜を「熱帯夜」というが、これは以前NHKの天気予報をやられていた大先輩の倉嶋厚氏が名付親。ご本人に「なぜ熱帯夜と付けたのか」と訊ねたことがある。元はポーランドの言葉で、ポーランドへ行かれた時にロシア語で最低気温が20℃以上の夜を「熱帯夜」(英語ではtropical night)と書いてあるのを目にされ、これは面白い、日本でも使えるが20℃は当たり前なので最低気温が25℃以上で倉嶋氏が使うようになったとのこと。

古文書や木の年輪などから推察すると平安時代も現代と同じように気温が高かった。学習院大学の教授に聞いた話だが朝廷は「朝」という字が入っているが文字通り涼しい朝にしか仕事をしなかったからそう呼ばれた。暑くなったら何もしなかった。

調べてみると沖縄でも雪が降ったことがある。琉球王朝時代の記録に1800年代に沖縄に雪が降って今で言う6cm積もった記述がある。ちなみに近代的な観測が始まってから沖縄で雪が降ったのは久米島でみぞれが降った1回だけ。あとは非公認というか雪の目撃証言が1990年12月に那覇市でのクリスマスイベントにいた人がビデオに収めていて、実際にそのビデオを見たら確かに雪らしきものが映っていた。その時の気温が10℃以上あったので「雪は降らないだろう」「あり得ない」「じゃあ降ったのは何だったんだ?」「きっと埃とか綿のようなもので沖縄の人たちは雪を見たことがないからわからない」みたいな暴言を吐く人もいて「クリスマスイベントで人工的に作った雪が舞ってきたんじゃないか」と様々な説があった。気象台もビデオだけでは確認出来ずに未確認のまま。この時に前出の倉嶋氏が「こんなことがあるんでしょうか?」とインタビューで訊かれ「もしそれが本当だったならば教科書を全部書き直さなければならないようなことですね。」と否定もせず、さらに「これは南の島の雪の謎ということで歴史に留めてはどうでしょうか。」と言われ、爺さんきれいにまとめやがったなと思った。

猛暑、大雪、熱帯夜、80年代後半からの都市気候について、桜の開花、楓の紅葉・落葉などの時期について解説。
そしてテーマでも取り上げている通り温暖化で空気が暖められると雨に影響するが、特に積乱雲の発生は予測し辛い。最近特に1時間に50ミリ以上の激しい雨が増えて排水が追い付かなくなり下水が溢れて道路が冠水したり。ちなみに降水量を表すミリは体積ではない。考え方としては雨が降り地面に浸み込んだり、低い所へ流れていくということはないと考え、全部がそのまま水溜りになったと考えたときの「深さ」をミリで表したものを降水量としていて、面積も関係ない。気象庁のHPを見ると1時間に50ミリの雨は「バケツをひっくり返したような雨」と書いてある。どんな雨かと最近の若い子に訊かれたので「文字通りバケツをひっくり返したような雨だよ」と言うと「家にバケツがないからわかりません」と言われた。1時間に80ミリは「滝のような雨」と表現しているがいまどき滝に打たれたことのある人もほとんどいないと思うのでこういう言い方もそろそろ少し変えた方がいいのかも。

ゲリラ雷雨は地面がもの凄く暖められそこに寒気が入るとその場でしかもどこで起きるかわからないし、15分位で急速に発達するのでレーダーで見ていても観測が追い付かず警告の出しようが無い。

雷、積乱雲から身を守る方法の一つを紹介。雷の特性のひとつに高いものに落ちるというものがあり、どれくらい高いと落ちるかというと25cm、従って雷がゴロゴロと鳴ったら周りにいる人より25cm低くなるようにそーっとしゃがむ。そうすると自分だけは助かる。

日本の場合は地球が温暖化しているから最近は雪が増えている。その理由は大西洋暖気がシベリアの寒気を日本に押し出すから、これを専門用語で「ストアンデル効果」と言う。饅頭をイメージし押すと餡が出るというインチキ外国語。
しばらくは夏は暑い、冬は寒いというのが続くのかもしれない。

3/10に「今年はエルニーニョが発生する可能性が高い」と発表された。以前なら冷夏の予想になったが80年代後半からこのセオリーが通用しなくなってきて、エルニーニョでも猛暑になる年が多くなっていて今年の夏も暑いと思った方が良いかも。

異常気象は人工的な要因の他に高齢化も影響している。人間誰しも生きている限り毎年1つ齢を取る。「私も前から見るとそうでもないように見えますが後ろから見てもらうと良くわかりますが大分森林破壊が進んでいます」と自虐ギャグ、ウケさせます。

今年は午年、過去の午年にはたくさん災害が起こっていて災害の多い年と言われている。一番驚いたのは冒頭に述べた岩手の水沢のお客さんに『午年だった1978年に江東区で地下鉄が鉄橋を渡っていて竜巻による強風で脱線』という事故の「地下鉄が鉄橋を渡っていた」ことに驚かれたことだった。

最後に「特別警報」について話され、質疑応答の時間を取って丁寧に答えて下さった。

異常気象についてはなかなかTVでは時間が無くて聞けない専門的なことはもちろん、パワーポイントを駆使し様々な図、データなどをわかり易くそして飽きさせないように工夫しながら、ギャグを入れ上手に笑いを取りながら面白いことを織り交ぜながらのとても良い講演だと思います。大人だけでなく子供たちにも聴かせたい内容だと思いました。
とても講演を始められて数か月とは思えないほどレベルの高い、内容の濃い、楽しくてためになる講演です。講演後森先生に始められた頃に比べお世辞抜きで、はるかに上手になられたし、講演に向いていらっしゃるし、きっとご自身も講演がお好きでもっと良くしよう、もっと面白くしようという思いを持っておられ、その姿勢がひしひしと感じられてとても良かった。これからもっともっと良くして頂けそうですねと申し上げました。

片山裕介先生の講演を聴いてきました2014/03/31

3月18日に都内で片山裕介(かたやまゆうすけ)先生の講演を聴いてきました

「激変する時代の安定経営とは ~セブン&アイホールディングスで学んだ経営~」というテーマで弊社お得意様主催の講演会でした。

今セブン&アイがどこを目指しているのか?
「オムニチャネル」(リアルとヴァーチャルが融合したビジネスモデル)、インターネット(Eコマース)とコンビニや百貨店といった実店舗を融合させたものを作ろうとしている。楽天やイオンも狙っているが現時点で一番進んでいるのはセブン&アイ。これを制した所が近未来の流通を制するのではないかと言われている。
具体的には例えば携帯電話からインターネットでセブン&アイへ鯛の刺身を注文すると実店舗で調理し会社帰りに自宅近所のセブンイレブンで受け取ることが出来るというサービス。ただそれぞれの間の物流や管理保管の問題がまだまだこれから。

マーケットの需要の変化、「量」から「質」へ。生鮮食品の温度管理は本来適性温度があるはずだが、現状では安全温度で管理している。また、最近注目されている肉の熟成の技術。
つまりオムニチャネル化と技術革新という大きな2つのニーズがある。

「変わらない為に変わり続ける」ことが大切。
東京ディズニーランドのリピーター率は90%以上、セブンイレブンは75~80%。
スパリゾートハワイアンズの社長が3.11の時に東京にいて丸1日連絡が取れずにいた時でも社長は現場の心配は全くせずにこれからのことを考えていた。なぜか、「お客様第一主義」という社是があり常日頃から徹底していたから。実際に620人のお客様すべてが帰宅するまで被災している社員が面倒をみた。
この時セブン&アイも430店舗が被害を受けた。その中で津波による壊滅的だった石巻のイトーヨーカドーは店長の機転で食べるものも無く着の身着のままで逃げて来るであろう住民の為にわずか2時間後、使える商品を並べ“販売”した。無料だとパニックになる恐れがあり貰えない人が出る可能性もあった為だ。財布を持たない人には住所と名前を書いてもらい販売した。震災から1年後にこの店の売上が2倍になった。そして3.11当日役員会議で各店舗と電話は全く通じないが営業しているに決まっているという前提でどうやって商品を輸送するかについて討議していた。
セブン&アイは「お客様の都合を最優先せよ」というポリシーがしっかり生きている。
本来お客様の都合を考えるということは自分にとっては“不都合”、つまり逆に言うと自分にとっての都合はお客様にとっての不都合。「自分の不都合の中にこそ革新の芽がある」、「お客様の為に」ではなく「お客様の立場で」変わらない為に変わり続けることが大切。

イトーヨーカドー事業部長時代、毎週火曜日13:30~グル―プ145社のトップが集まる「業務改革委員会」でプレゼンをさせられる。
あるプレゼンで春物衣料が過去5年間を調べると少しずつ前倒しで売れ、前年は12月に売れていたので今年は11月から春物を投入で良いかと鈴木会長に訊ねたら「ダメだ。それは今の君の考え方、常識の延長線だろう。そういう考え方は必ず間違えるからもう一度分析し直せ!」と言われた。よく調べたしいい報告をしたつもりだったが気が付いていないことがあった。それは春物、冬物というのは売る側の話でお客様が店頭でそう分けている訳ではない。春物衣料が前倒れして売れていたのではなく、ライフスタイル、着方が重ね着に変わっていたことに気付き、春物商品で冬でも着られそうなものを投入したら売れた。と会長に報告に行くと「常識をまず疑え!その延長線上に真実は無い」と言われ勉強させてもらった。

「変化への対応こそ安定経営の秘訣」・・・日本は長寿企業大国。100年超が26000社(この内上場は500社未満)、200年以上が3100社で世界の42%を占めるほどあるがほとんどが中小企業。帝国データバンクがこれら長寿企業の共通点について調査。4つの共通点があることがわかった。
①変化に対応する力がある
②結束力が強い(労使の関係が非常に良い)
③現場力がある(技術力があったり、きちんと仕事をする人が現場に揃っている)
④質素・倹約(経費削減ではなくケチ)

質素・倹約に関する実話エピソードを。
世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマート、日本では西友で展開し世界の売り上げが40兆円を超える企業。
随分前に勉強しに行き大歓迎されたが30分経ってもコーヒーひとつ出てこない。社員の女性が来て我が社はこういう会社なのでコーヒー飲みたい方は会社を出て突き当りにコーヒーショップがあるからそこで」と言われた。これが当たり前。また、社長が海外出張するときもエコノミークラス。帰国して鈴木氏にこの話をしたらイトーヨーカドーの役員全員エコノミーにされ、言わなきゃ良かったと思った。

質素・倹約話のアメリカンジョークを一つ。
1970年代アメリカにロックフェラーという世界一の大金持ちがいた。
彼がニューヨーク出張すると定宿はプラザホテル。でもなぜか一番安い部屋にしか泊まらない。ホテルの支配人は理由を知りたくて本人に訊いた。「どうしていつも一番安い部屋をお取りになるのですか?息子さんはいつも最上階で最高級のペントハウスにお泊りですよ。」ロックフェラーは「君、そりゃそうだよ、あの男にはとてつもない大金持ちの親父がいるんだよ。だけど俺にはそんな親父はいないからな。」

多角経営は悪いとは言わないが「企業理念」を失う可能性が高いので本業の価値を高め磨くことが大事とイトーヨーカドー時代に教えられた。
イトーヨーカドーはバブルの時に「不動産屋ではなく小売業」と言って不動産を一切買わなかったので生き残れた。ダイエーの破たんは小売りが原因ではなく有利子負債が原因。でも本業ではなく見えるセブン銀行をなぜやっているのか?これは本業の延長。ATMは午後6時で終わっていた時代で合法的に24時間稼働するATMを全店舗に置くためには自分で銀行を作るしか方法が無かった。イオン銀行は銀行業務をやっているがセブン銀行は銀行業務を一切やっていない。法律上は銀行でも代理業務だけ行いATMの手数料収入のみだが手数料収入だけで年間340億円の利益を出す。今アメリカに1万店、東南アジアに2万店、ATMは日本の約2万店のみ。これからアメリカにもATMが入り、東南アジアにも入るということになれば凄いことになる。今は株の買い時。

常識とは過去の成功体験、だからその延長線上に革新は無い。
セブンイレブンが新潟出店するときに商品リストに「おにぎり」を入れたら店舗オーナーが「ここは米どころで周囲は皆農家でとても米にはうるさいので工場で作ったおにぎりが売れる訳がない。」と言われ会長は「逆にもし新潟でおにぎりが売れたら全国で売れる。徹底してやってくれ。」と頼んでおにぎりを並べた。結果おにぎりは1日420万個売れるようになった。この時常識に従っていたらヒット商品には育たなかっただろう。常識を覆すことで革新が生まれその成功はとても大きなものになる。

女性を知り、特性を活かすことが大切、消費者の「損失回避の心理」とは、良い環境を作ることが質を上げるなどについても話された。

とても旨いと感じた店に人を連れて行き、「旨いだろ?」「旨いですね」を繰り返し通っているうちに旨いことが当たり前になると「味が落ちたのではないか」と思うようになる。つまり「いつも同じ」=「悪く見える」こと、これが消費飽和の怖さ。

最後に「経営者の力」とは“意欲”と“能力”と“時の運”と“健康”の和ではなく
どれが欠けてゼロになっても全てがゼロになるが、弱点があってもこの4つの内で秀でているものがあれば合計で勝てる。この内最もゼロになり易いのが健康。健康が一番と締められた。

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