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鳴海 拓志先生の実績紹介

鳴海拓志先生の講演を聴いてきました

鳴海拓志先生の講演を聴いてきました

【スタッフによる講演レポート】

弊社お得意様ご主催で行われた「五感に訴えるバーチャルリアリティの新展開」と題しての東京大学講師 鳴海拓志先生のご講演を聴いてきました!
 

ポケモンGOの大流行からソニーのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の発売、数々の体験型アトラクションなど、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)の進歩はとどまるところを知らず、また市中のエンターテイメントにもしっかり取り入れられる時代となりました。娯楽の選択肢にも定着したAR・VRですが、「五感を創り出す」最新のAR・VR研究をご存知でしょうか。中でも注目の若手研究者が東京大学の鳴海拓志先生です。 

鳴海先生は、VR技術によって人間の行動や認知、能力を変化させ、生活やメンタルを向上させる方法を研究。見た目で味や満腹感を変えるなど“現実を編集する”試みがメディアでも注目されています。

そんな鳴海先生の講演を先日お得意様の会合にて聴講してきました。少しだけ内容をご紹介しましょう。

 

VRの裏側にある技術:

VRの本質にあるのは複雑な感覚のエッセンスを抽出して本物と同じように感じさせること。
そのためにセンサーやシミュレーションを組み合わせ、「いかに五感に訴える形でフィードバックするか」、が裏側にある技術のキモのようです。 

五感の感じ方を変える:

VRは五感の感じ方を変えることが出来る―ということで鳴海先生が開発した“メタクッキー”は、香りが出るHMDを装着して、普通のクッキーでも見た目と匂いをチョコクッキーにすることで何とチョコ味を作り出してしまう(!)。これはかき氷のシロップが目をつぶって食べるとどれも同じ味なのと同じことだとか。

またプロジェクションマッピングで食べ物の周りを囲むお皿の大きさを変えると、同じものでも満足感が変わる。食べ進めるのに合わせて変えれば、食べても一向に減らないので早く満腹になる。満腹感を出すのはこれまで難しかったそうです。

五感と錯覚の可能性:

そもそも、古くから五感はそれぞれ独立と考えられてきたのですが、研究が発展途上の触覚・嗅覚・味覚については、仕組みもかなり曖昧にしか知られておらず、「触る・におう・味わう」は別々に訴えても作れないのではないか―そう鳴海先生は考え「異なる感覚の影響や錯覚を使えば可能性があるのでは?」と問いを立てます。

どういうことでしょう。

例1 ある色の周囲が暗くても明くても色変わりせず見える「色の恒常性」。これは脳が賢く補正していることによる錯覚。

こうした錯覚の持つ可能性を最大限引き出すと面白いことができるかも、というのが鳴海先生の着想。

例2 鋭い響きの言葉とトゲトゲした図形など、聴覚イメージと視覚イメージの結びつきはどこの文化圏にもある。

つまり感覚同士は連動しており、足りない五感の情報を補うこともあるそう。こうした現象をクロスモーダル(異なる感覚が相互作用すること)と言い、感覚の埋め合わせもしてくれるそうです。

先ほどのクッキーの場合 【視覚:チョコクッキーの見た目×嗅覚:チョコレートの香り】が来ると、①まず脳は「お、これはチョコレートの味が来るな」と仮定して待ち受け ②その後で「本当にチョコ味かどうか」を確かめようとする。認知がこの順になるため、確認の時に味がはっきりしないと、最初の仮定をとって「これはチョコ味に違いない」と解釈してしまう。つまり、よく起こる感覚の組み合わせ(の記憶)があると、それを引き出してきて足りない情報(曖昧な味)を補完しているのだそうです。

これからのVRのキーになる技術:

限られたスペースでも広大な空間の中を歩いているようなVR体験(Redirected walking)は海外で研究が盛ん。それもそのはず、最も効果的な手法でも一辺が最短44m(!)ものスペースが必要・・・。というわけで日本では研究が進まなかった。

ところが鳴海先生の研究では円く湾曲した壁を触りつつ歩かせた(HMDではまっすぐ進んでいるかに見せる)。こうして同じように無限に広い迷路を歩き続ける体験を作ったのですが、「触る」感覚を一つ入れるだけで、何と必要なスペースを一辺6m(面積にして約53分の1!)にまで縮めてしまったのです。見るだけでなく触れることで感覚を歪める効果が大きくなった、というわけ。この技術は派生するさまざまな研究がなされています。

身体性認知科学:

「厚紙のDMは開封率がアップ!」という広告を紹介する鳴海先生。身体に働きかけると感情や認知が変わる、というのが身体性認知科学(Embodied cognition)という最近注目の分野。

ずっしりとした資料を持ちながら面接をすると重要そうな人物に思えて採用される確率が上がる、などいくつか研究例がある。ほかにも、嬉しい時は“上に”伸び、がっかりした時は“下に”落ちる、天国は“上に”地獄は“下に”ある―、こうしたことはどの文化圏にも共通。つまり感情や認知と、身体の動き、方向感覚、空間は関係している。こうしたものが面白いトピックになってきているのだとか。

VRの最新トピック:

私たちは世界を見るとき身体を物差しに使います。だからVRで手を大きくすると同じ物でも小さく見える、つまり身体が変化すると世界の見え方も変わる。こうしたことが、振る舞いや行動にも変化を及ぼすことが最近わかってきた、という鳴海先生。

例えばVRでのヒーロー体験。見た目がヒーロー化した瞬間に背筋が伸びる、体験後には利他的な行動をとり人に優しくなるという研究もあるのだとか。変幻自在のVRは人間の気持ちや振る舞い、ひいては働き方まで変えることが出来るかもしれません。

また複雑で切り離せない身体と心の関係も、解き明かすことができるようになっているのが最近の認知科学のトレンド。心は身体の影のようなものとして存在しているかもしれない―そうした研究を鳴海先生はゴーストサイエンスと呼び、新しい身体を獲得すると新しい心が生まれると言います。

鳴海先生が作った「扇情的な鏡」。真顔で前に座っていても映る表情は変化、笑わせると本人も楽しくなるなど、映像の加工で感情を変えるのです。心理学的には「悲しいから泣くのではなく泣くから悲しい」、つまり感情の役割は身体の反応(表情)に意味付けをすること。

さらに、このシステムをスカイプ(ビデオ通話)に入れてみる。お互いが笑顔に見えるようにしてアイディア出しをしてみると、何と数が1.5倍になる(!)。雰囲気が良いとそれだけ能力を発揮しやすくなる、環境を作ってあげることで感情が変わり発揮される能力やクリエイティビティが変わるということ。「ネット越しのコミュニケーションの方が生産的、効果的になるかもしれない」というクールな予言も飛び出しました。

 

鳴海先生の講演は、VR・AR応用の最新事例や新しい研究成果の紹介が大半をしめています。実際の見た目や動きなどが分かるビジュアルなプレゼンテーションは、見ているだけでも全く飽きさせない内容です。説明も平易で理解しやすく、主催される業種に合わせた話題も盛り込んでくださるので、新しいビジネスのヒントが見つかるかもしれません。

お問い合わせをお待ちしております。

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