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2014/06/23

二宮清純先生の講演を聴いてきました

5月22日に都内で二宮清純先生の講演を聴いてきました。
「スポーツに見る、勝つ組織、負ける組織」というテーマで弊社お得意様主催の講演会でした。

やはり今年はサッカー、ワールドカップ。
勝つ組織と負ける組織、どこが違うか?それは「準備力」、準備無くして勝利無し。
私は30年ちょっと毎日勝ち負けばかり見てきた。顔を見ただけで麻雀が弱そうだとわかってくる。
前回初めて日本は国外で行われた南アフリカのW杯で、決勝トーナメント進出を決めた。その南アフリカのW杯で日本がトップだったものは何か?それはオンターゲット率(ゴールの枠を捉えたシュートの割合を数値化したもの)。信じられないかもしれないが日本は世界で一番シュートが巧い国。ちなみに1998年のW杯フランス大会では32の出場国・地域中最下位の20%だったがたった12年でトップへ。なぜ劇的に変わったのか?
南アフリカのW杯で使用されたボールはアディダス社の「ジャブラニ」、これはツルッとした新球に近い空気抵抗が少なくブレ球になるボール。これを世界の国内リーグで最初に採用したのが日本のJリーグ。だから日本は「ジャブラニ」にいち早く慣れることができた。これが劇的に改善した大きな理由。これが「準備力」。

シドニーオリンピックでマラソン初の金メダリストとなった高橋尚子選手。彼女は42.195kmのマラソンでかなり距離を残し、誰も想像しなかったであろう最もアップダウンが厳しい35kmでサングラスを放り投げるという合図でスパート。サングラスは高橋選手のお父さんが拾った。お父さんはたまたまそこにいて天文学的確率で拾うという偶然か?そうではない。“完全犯罪”に違いない。つまりお父さんは何かの役割を担ってそこに立っていて何かサインを出したはず。
実はシドニーの空港で小出監督にばったり遭った。本番前に一度練習を見せて欲しいと取材を申し込んで携帯電話番号を教えて貰い掛けたら一切繋がらない後で聞くとチームQちゃんのメンバーとご両親位しか秘密の「アジト」(合宿所)は知らなかった。なんとその場所は35km地点の手前で、そこでスパートする練習をやっていた。
「極秘作戦」を関係者以外誰にも知られたくなかったのだろう。このことで学んだことがある。それは「大事なことは喋らない」ということ。簡単そうで難しいこと、「ここだけの話、お前にだけ」と言って口外すると間違いなく広まる。秘密の匂いを嗅ぎつけるプロである我々ジャーナリストの誰一人知らなかった。ここまでやったから金メダルが獲れた。徹底した「準備」と徹底した「情報管理」、スポーツでもビジネスでも勝ちたければここまでやるしかない。これが鉄則。

北京オリンピック、初めて男子400mリレーで銅メダルを獲得した。日本人は長距離はいけるが短距離は難しい。昨年100mを9秒台で走った選手が90人で内88人は黒人。日本人は未だかつていない。しかし朝原キャプテンはじめ4人で力を合わせての快挙。リレーはバトンを受けるためどこで走り出すか各自テープで目印をコースに貼るが、北京の公式テープは色がシルバーだった。予選当日は雨が降っていて、照明が眩しかったので一計を案じた朝原選手が白いテープをまるで密輸するかのごとくスパイクのつま先にギュッと押し込み持ち込んだ。そしてこのテープのお陰で日本のバトンパスが見事にきれいに繋がった。他国はどうだったか、何とバトンミスで6チームも失格し、選挙で言えば繰り上げ当選で銅メダルを獲得。「日本は運がよかったなぁ」と嫌味を言われたがミスをする方に原因がある。こんな天気の日に言われたまま銀のテープを張るとどうなるか?当然滑ってひっくり返ってバトンを落とす。日本だけが転ばぬ先の杖を用意した。このテープを用意したという所に日本は表彰台に上がる権利を得たと思う。要するに「準備力」。

負ける人は必ず言う「運が無かった」と。でも違う、準備をしなかったのだと。

先日パスツールに関する本を読んだ。二つ名言がある。一つは「科学者には国籍はあるが国境は無い」、今はアスリートにもビジネスにも同じことが言える。もう一つは「準備無き者には偶然すら微笑まない」。
パスツールは「なぜお前の研究は上手くいくんだ?皆同じように頑張っているのに。運が良いな、ツイてるな」と仲間から妬まれ、疎まれたが彼らに「準備無き者には偶然すら微笑まない」という手紙を送った。これは多分自分が他人の見ていない所でどれだけ努力し、苦労し、準備しているか知らないだろう?知りもしないで運が良いとかツキがあるとか言わないでくれよ、そこが俺とあなた方との差なんだよ、と言いたかったのだと思う。

同じようなことがあった。高橋尚子選手が故障で走れない時期があり、東京マラソンで見事な復活を遂げたときのこと、マスコミが言う「やっぱりQちゃんは強い星の元に生まれた、何か持ってるなぁ」、それに応えて高橋選手は「24時間は誰にでも与えられた平等な時間です」と反駁。きっと彼女は「あなたが24時間しかなくて私に26時間あったらズルいかもしれない。でも同じ24時間で平等でしょ、その時間を真剣にマラソンについて考えているし、ちゃんとトレーニングもやっているのよ。そんなこと知らないでしょ!?知りもしないでツキがあるとか何か持ってるとか言わないで!強い星の元だとかそういう話にしないでくれ!」とQちゃんは言いたかったのではないか?
これは科学者であれアスリートであれビジネスマンであれ超一流の人たちの考え方の根底は同じではないか。とにかく準備を怠らない、徹底して準備をする、その果てにしか栄光はない。

ソリューション(解決できる力)よりプリパレーション(起きる前にリスクの芽を摘む力)。想定外のことも想定できる人こそが21世紀のリーダーに相応しい。
失敗学の権威、畑村洋太郎氏の言葉、「これから肝に銘じることはあり得ることは起こる。あり得ないと思うことも起こる」。
スポーツではだいたい負ける時は想定外のことが起きるが、勝てるリーダーは常に最悪の状況を想定し、慌てず騒がず最善のカードを切って見せる。これが究極の危機管理ではないかと私は思う。

選手について、世界で結果を出す選手とそうでない選手との違いは何か?
それは「スキル(Skill)よりもウィル(Will)」、つまり世界を制する選手、組織にはオンリーワンのスキルがある。

MLBの先駆者「野茂英雄」、プロに入って最初に言われたこと「そのフォーム(トルネード投法)を止めろ」、と。もし彼がトルネード投法を止めていたら彼の栄光は無かっただろう。彼がMLBに行くことが決まってTVの対談番組に野茂投手と日本人のマイナーリーガーと3人で出演。そこでマイナーリーガーが先輩風を吹かせたのかもしれませんが「野茂さん、英語は喋れるの?英語が喋れないとベンチでいじめに遭うよ」というと野茂氏は「僕はアメリカに英語を覚えに行く訳ではありません、野球をやりに行くんです」と答えたのを見て「絶対に成功すると確信した。
バッターではイチロー、彼のオンリーワンといえば振り子打法、でもプロでは認められなかった。
「何だその変な打ち方は!?お前は足も速いし、肩も良い、その変てこな打ち方を止めたら一軍で使ってやる。」
「嫌です。これは今僕が開発中の技術です。もし認められないんだったら二軍で10年野球やらせて下さい。もう少し時間が掛かります。」
「くそ生意気な、なら二軍だ!」
と言われ二軍に落とされ、その時の話し相手がパンチ佐藤。最近は旅番組でよく温泉に入っていますが、元ドラフト1位の選手です。その彼がイチローに「イチロー、言うことを聞け、野球選手は言うこと聞かんと使って貰えんぞ、使って貰わんと給料も上がらんぞ」と言うと「このフォームが認められないんだったら僕は野球を辞めてもいい」とイチローは言った。

野茂もイチローも「スキル(Skill)よりもウィル(Will)」、志、目的意識、折れない心を持っている。

アマの世界も同じ。
スピードスケート初のゴールドメダリスト、清水宏保選手。元々小児ぜんそくで背が低かったので限界のある少年と言われていた。身長は公称160cmだが実際は157とか8くらいかも。背が低いということはストライドが短いので限界があるのでこう言われたらしい「現実を見ろ」、それに対し「現実は見るものじゃありません、現実は変える為にあるんです」と言い返し、ハンディをアドバンテージに変えた。足の短さを逆手に取り、トップスピードに乗るまでの時間は短いので「ロケットスタート」というオンリーワンのスキル、秘密兵器を編み出し、金メダルを獲った。普通は表彰台の真ん中で選手が手を繋ぎ高く挙げると山型になるようになっているはずだが、清水選手の時に生まれて初めてM字型になったのを見た。

天才はいない。そんなに皆差は無い。どこかで諦めるか、妥協するか、そこの違いだけだと思う。
スポーツの世界では「バッタ現象」というのがある。バッタは20cmの虫かごに入れるとその後に50cmのかごに入れても20cmしか飛べなくなる。最初に入れられた環境の中で飛べる距離を自分で決めてしまうらしい。
もっと伸びると思った選手が自分で「僕はここまで」それ以上は無理だと限定してしまう。
どの世界も同じではないか?実は自分の才能を知らないのは自分なのではないかと思う。

徹底した準備をし、リスクを取りオンリーワンのスキルを編み出したら折れない心(ウィル)で意志を貫き通す、これが最も大事。

最後にサッカー指導者、スポーツの指導者のみならずビジネスリーダーまでが愛読するイタリアのサッカーの教本の中に出てくる最後の一行の言葉を紹介された。
「良きリーダーたらんとする者はまず以て良き背中を持ちなさい」、つまりリーダーの1丁目1番地は「背中」であると言いたいのではないだろうか。
この話で締めくくられた。

「背中」の詳細は実際にお聴きになって頂くのがベストですのであえてここは記載しないでおきます。

「背中」の話の中で絶対に出るだろうと思っていた通り「苦しくなったら私の背中を見なさい」と言った澤穂希選手の話もありましたので、講演終了後に控え室で二宮先生に「澤穂希選手は女にしておくには勿体無いですね」と申し上げましたら笑っておられましたが、様々なスポーツの世界のことを仕事とはいえまぁ良くご存じなこと。
他所でも二宮先生の講演を聴かれた主催者の方が、「今日はその時とは違う話ばかりでとても楽しかった」と仰られたのを伺い、さすが、引出をたくさんお持ちなのだと改めて感心しました。

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