千葉で長年の弊社お得意様ご主催の講演会で「科学と社会」と題しての益川敏英(ますかわとしひで)先生とMCによる対談形式での講演を聴いてきました。
益川敏英先生はご存知の通り2008年にノーベル物理学賞を受賞された物理学者で御年76歳(2016/5現在)。
高齢で体調を崩されたこともありご今回は着席対談形式での講演会となりました。
また、益川先生のお仕事は講演がメインではなく回数があまりできないため多くのご依頼のご要望に沿えないことが多いこと、体調面でのご心配などもあり弊社HPへは依頼殺到防止の観点から掲載を見合わせておりますが、今回の講演レポートの掲載はご許可下さいました。
どんな子供だったか?
小学生の時に宿題を全くせず、保護者面談で母親が「家で全然勉強をしないので毎日宿題を出してもらえないか」と先生に言うと「いえ、毎日宿題を出していますが益川君がやって来ないんです」と言われた。
勉強はできたか?
決してそんなことはなく、たまたま錯覚して算数が好きなんだと思いできるようになっただけ。
大学受験はどうだったか?
英語が全くできなかったが数学は満点で、名古屋大学がこの学生の入学を認めるべきかどうかという会議が開かれ、辛うじて認めてもらい何とか入学できた。
当時の名古屋大学だからできたことで今なら間違いなく不合格だった。
ノーベル賞授賞式のスピーチの冒頭で「I’m sorry, I can’t speak English.」と言われたが、英語はどれくらいできるのか?
書く、話すは全くと言っていいほどできないが、読むことはできる。
科学用語は世界共通なので当然英語。
従って英語の専門書なら書いてあることの意味は理解できる。
とはいえ英語はできないよりできるに越したことはないとも。
もちろんノーベル賞受賞秘話やクォーク(お分かりにならない方はウィキで調べて下さい)、恩師についてのお話に笑えるエピソードもあり、驚いたことに林家木久扇師匠張りの駄洒落まで。
最後に生徒さんたちからの質問にも時間一杯丁寧に答えられ、エールを送って下さいました。
当日は早めに会場入りされ控室で雑談を交え色々なお話を聞きながら打ち合わせを兼ねた昼食。
子供の頃からやんちゃで、良い意味で子供がそのまま大人になったような方で、可愛らしい(遙か年長の方にこういう言い方は失礼かと思いますが)人間味溢れるとても魅力的で楽しい先生です。
小さな体でもバイタリティたっぷりで、湯川秀樹先生に議論を“吹っ掛け”ていたそうですからきっと若い時は凄く尖がって勢いがあったんだろうと思いました。
帰りの車中では、奥様との出会いや恋愛時代のこと、英語の論文を奥様に添削して頂き真っ赤になることなど話された。
そしてお酒なら何でも召し上がられる先生が毎晩奥様とワイン(フルボトル)で晩酌される際に、いつも奥様はワイングラスに1杯、残りは益川先生が全部飲まれるので「飲み過ぎ!」と奥様に毎日言われているということでしたので、私が「先生、でしたらせめて2杯にされたらいかがですか?バケツに」と言いますととても大きな声で「あっはっはっー」と大笑いされ「そりゃいいや」と仰いました。
さすがにノーベル賞のメダルはお持ち頂けませんでしたが、ノーベル賞級の楽しいお話をたくさん伺うことができました。
なかなかノーベル賞受賞者の話を生で聴く機会はないと思いますので是非一度いかがでしょうか?
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