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2015年1月23日(金) 宮田修先生の講演を聴いてきました

2015年1月23日(金) 宮田修先生の講演を聴いてきました2015/05/11

都内で弊社の長きに渡るお得意様ご主催の講演会で宮田修(みやたおさむ)先生「アナウンサーが神職になって」と題しての講演を聴いてきました。

目を瞑って聴いてもとても67歳とは思えない若々しいお声で、現役時代そのまま。

現役のアナウンサー時代に神主になってしまい自身も驚いている、とスタート。

苗字が宮田で“宮”が入っているので神社の生まれと思われがち。
『社家(しゃけ)』についての説明。(割愛)
もちろん社家の出でもない。
ではなぜ神主に?アナウンサーという職業は顔と名前が知られている分大変ストレスが溜まる。それで20年以上前に千葉の友人にお願いして週末ぐらいはのんびりしたいからとセカンドハウスを探して貰ったら、何と敷地500坪、母屋は江戸時代末期にできた本当の古民家で広々とした素晴らしい家。
しかも一番気に入ったのが家賃。
何と月1万円。
即決。

以降週末ごとに奥様を連れセカンドハウス通い。
家庭菜園で農作物を作り田舎暮らしを楽しんでいた。

古民家の隣に大家さんが奥様とお義母様と3人で住んでおられ、この方がこの地区の神主さんでこの方に子供が無く跡継ぎを探しておられ、隣に住んでいる宮田氏に白羽の矢が立った。
ある日奥様とお義母様が来られ「宮田さん、跡を継いでくれ」と頼まれ、もちろん神社のことも何も知らないので断った。
すると神主について説明します、と3つ。
1)定年が無い。
2)神様には頭を下げるが、それ以外はいつも上座に座りふんぞり返っていればいい。
3)小高い所に神社があるので階段を昇れればいい。昇るのが辛くなったら氏子が支えてくれる。
そして最後にこの地区に神主がいなくなると神社でお祭りが出来なくなり皆が困るので“人助け”ですから神主をやって下さい、と言われた。
こう言われてはもう引き受けるしかないとOKして神主になった。

当時はまだNHKの53歳の現役アナウンサー。
毎日通えないので色々調べて唯一通信教育で資格が取れる大阪の学校を見つけ入学。
いざ入ってみると勉強が実に面白い。
初めて自主的に勉強した。

神主になる為の勉強とは日本人が「命とは」「働くとは」「ご近所(共同体)とは」「自然とは」ということをどのように考えてきたかを会得すること。
他宗教のように経典や経本などがないので古事記、日本書紀、万葉集といったもので学ぶ。
例えば「働く」ということは日本人にとっては、働くことで弥生時代以来米を収穫し食べることができ、近年はお金まで頂けるという「喜び」。
西洋で「働く」ということはアダムとイヴが禁断の実を食べたことによる「罰」。だから彼らはいかに手を抜き楽してお金を稼ぐかを考える。
日本人とは根本的に違う。

神主の勉強をすることで見えてきたものがたくさんある。

また、「命」を日本人が伝統的にどのように考えて来たかを知った時にハンマーで殴られたかのような大きなショックを受けた。
戦後教えられてきたことと全く違った。
戦後「人間の命は大変尊いものである」と教わった。
地球よりも重いかもしれない、だから命を大切にして自己確立をしなさい。
そしてあなたは一個の独立した人格だ、だから親は親、子は子、それぞれ別人格なのだと。
では神主の勉強で「命」をどう教えられたか。
自分はどうして生きているのか、それは父親と母親がいるから、その父親と母親はどうして存在しているのか、祖父と祖母がそれぞれにいるから、ではその祖父と祖母はどうしているのか、曾祖父と曾祖母がいるから・・・と日本人はずっと考えてきた。
一個の命は親、祖父母、曾祖父母・・・・と2、4、8、16、32、64、128、256・・・・と無数の命があったから今ここに一個の命がある。
これら逆ピラミッド状の網の目の中の命の中でたった一つ欠けても自分はいない。
なぜなら命が繋がらないから。
このように日本人は考えてきた。
大人になると普通は結婚する、そして子供を持ちやがて子供が大人になると同じように結婚し孫が出来る。
こうして命が繋がっていく。
命と言うのは先祖から両親を通じて自分へ伝わり、子孫へ伝わっていく、そういう「命の連続の中の私達は今を生きている」という風に考える。
これを「中今を生きる」という。
先祖や親がいたから私がいる、だから親を敬いなさい、先祖に感謝しなさいと日本人は教えてきた。
でも今は祖父母や曾祖父母のことを知らない人がたくさんいる。

中学校で講演を頼まれると生徒さんたちに「皆さんは誕生日のお祝いってやってもらっているでしょ?誕生日にはお母さんが美味しいものを作ってくれるでしょう、お父さんはケーキを買ってきてくれるでしょう、その時にパパ、このケーキじゃなくて・・・などと不平不満言っていませんか?」と訊く。
そして「皆さんが誕生日を祝ってもらうことは間違いだと思いますよ」と言う。
すると皆キョトンとしている。
このあと「皆さんが生まれた日の事を考えてみましょう。お母さんが自分の命が失われるかもしれないという非常に危機的な状況の中で皆さんを産んだんですよ。お父さんは朝から仕事が手につかなかったでしょう。両親はその中で子供の誕生を喜ぶ。だとすると誕生日はお祝いをしてもらう日ではなく、両親、特にお母さんにお礼を言う日ではありませんか?」と話をする。
終わると学校から生徒さんたちの講演を聴いた感想文が送られてくる。
他にもたくさん話をしているにもかかわらず90%以上の生徒さんが「誕生日」の話を書いている。
そのほとんどが宮田先生の言う通りです。次の誕生日からはお祝いされるのではなくきちんと両親にお礼をします。産んでくれてありがとうと言います、と。

今住んでいる所は千葉の田舎なので農作物を作り都会に住んでいる子供たちに送っている人が大勢いる。
その方たちに家にあるご先祖様方の写真(遺影)をコピーして名前とどういう人かを書いて野菜なんかと一緒に送息子や娘に送ってあげなさいと勧めている。
すると「何で写真送ってきたの?」と言われるから「いいから何も言わずに家のどこかに掲げておきなさい」と言いなさいと氏子さんたちに言っている。
その後孫が生まれ2、3歳になった時に写真を見て必ず「この人は誰?」と質問するでしょう。
その時にこの人たちから私達(両親)に命が伝わり、あなたに伝わったということ、命は連続していることをその子は2、3歳になった時に自覚する。
そのことが大事だと氏子の皆さんに言っている。

NHK時代の話、自身の実家の話、千葉県の有識者会議の話など盛りだくさん。

神主の資格を取得し1年も経たない内に大家の宮司さんは跡取りが出来たと安心したかのように亡くなられた。

講演後、アナウンサーが神職になったのも何かの縁、伝え手として日本人の素晴らしい考え方や伝統を正しくお伝えすることが使命だと思っていると仰った。

池上彰先生の「グローバルとは何か」という最先端の講演を聴いた直後に宮田修先生の「命とは」、「働く」とはという対極に位置するかのような日本人の根幹を成すアイデンティティについて再考させられた内容の講演、そして奇しくもNHKご出身のお二方の講演を役得とはいえ聴くことができ、とても幸せな一日でした。

非常にコストパフォーマンスに優れ内容も秀逸、歯切れ良い聴き易い声。
人気もありお勧めの講師です。

 

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