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片山裕介先生の講演を聴いてきました

片山裕介先生の講演を聴いてきました2014/03/31

3月18日に都内で片山裕介(かたやまゆうすけ)先生の講演を聴いてきました

「激変する時代の安定経営とは ~セブン&アイホールディングスで学んだ経営~」というテーマで弊社お得意様主催の講演会でした。

今セブン&アイがどこを目指しているのか?
「オムニチャネル」(リアルとヴァーチャルが融合したビジネスモデル)、インターネット(Eコマース)とコンビニや百貨店といった実店舗を融合させたものを作ろうとしている。楽天やイオンも狙っているが現時点で一番進んでいるのはセブン&アイ。これを制した所が近未来の流通を制するのではないかと言われている。
具体的には例えば携帯電話からインターネットでセブン&アイへ鯛の刺身を注文すると実店舗で調理し会社帰りに自宅近所のセブンイレブンで受け取ることが出来るというサービス。ただそれぞれの間の物流や管理保管の問題がまだまだこれから。

マーケットの需要の変化、「量」から「質」へ。生鮮食品の温度管理は本来適性温度があるはずだが、現状では安全温度で管理している。また、最近注目されている肉の熟成の技術。
つまりオムニチャネル化と技術革新という大きな2つのニーズがある。

「変わらない為に変わり続ける」ことが大切。
東京ディズニーランドのリピーター率は90%以上、セブンイレブンは75~80%。
スパリゾートハワイアンズの社長が3.11の時に東京にいて丸1日連絡が取れずにいた時でも社長は現場の心配は全くせずにこれからのことを考えていた。なぜか、「お客様第一主義」という社是があり常日頃から徹底していたから。実際に620人のお客様すべてが帰宅するまで被災している社員が面倒をみた。
この時セブン&アイも430店舗が被害を受けた。その中で津波による壊滅的だった石巻のイトーヨーカドーは店長の機転で食べるものも無く着の身着のままで逃げて来るであろう住民の為にわずか2時間後、使える商品を並べ“販売”した。無料だとパニックになる恐れがあり貰えない人が出る可能性もあった為だ。財布を持たない人には住所と名前を書いてもらい販売した。震災から1年後にこの店の売上が2倍になった。そして3.11当日役員会議で各店舗と電話は全く通じないが営業しているに決まっているという前提でどうやって商品を輸送するかについて討議していた。
セブン&アイは「お客様の都合を最優先せよ」というポリシーがしっかり生きている。
本来お客様の都合を考えるということは自分にとっては“不都合”、つまり逆に言うと自分にとっての都合はお客様にとっての不都合。「自分の不都合の中にこそ革新の芽がある」、「お客様の為に」ではなく「お客様の立場で」変わらない為に変わり続けることが大切。

イトーヨーカドー事業部長時代、毎週火曜日13:30~グル―プ145社のトップが集まる「業務改革委員会」でプレゼンをさせられる。
あるプレゼンで春物衣料が過去5年間を調べると少しずつ前倒しで売れ、前年は12月に売れていたので今年は11月から春物を投入で良いかと鈴木会長に訊ねたら「ダメだ。それは今の君の考え方、常識の延長線だろう。そういう考え方は必ず間違えるからもう一度分析し直せ!」と言われた。よく調べたしいい報告をしたつもりだったが気が付いていないことがあった。それは春物、冬物というのは売る側の話でお客様が店頭でそう分けている訳ではない。春物衣料が前倒れして売れていたのではなく、ライフスタイル、着方が重ね着に変わっていたことに気付き、春物商品で冬でも着られそうなものを投入したら売れた。と会長に報告に行くと「常識をまず疑え!その延長線上に真実は無い」と言われ勉強させてもらった。

「変化への対応こそ安定経営の秘訣」・・・日本は長寿企業大国。100年超が26000社(この内上場は500社未満)、200年以上が3100社で世界の42%を占めるほどあるがほとんどが中小企業。帝国データバンクがこれら長寿企業の共通点について調査。4つの共通点があることがわかった。
①変化に対応する力がある
②結束力が強い(労使の関係が非常に良い)
③現場力がある(技術力があったり、きちんと仕事をする人が現場に揃っている)
④質素・倹約(経費削減ではなくケチ)

質素・倹約に関する実話エピソードを。
世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマート、日本では西友で展開し世界の売り上げが40兆円を超える企業。
随分前に勉強しに行き大歓迎されたが30分経ってもコーヒーひとつ出てこない。社員の女性が来て我が社はこういう会社なのでコーヒー飲みたい方は会社を出て突き当りにコーヒーショップがあるからそこで」と言われた。これが当たり前。また、社長が海外出張するときもエコノミークラス。帰国して鈴木氏にこの話をしたらイトーヨーカドーの役員全員エコノミーにされ、言わなきゃ良かったと思った。

質素・倹約話のアメリカンジョークを一つ。
1970年代アメリカにロックフェラーという世界一の大金持ちがいた。
彼がニューヨーク出張すると定宿はプラザホテル。でもなぜか一番安い部屋にしか泊まらない。ホテルの支配人は理由を知りたくて本人に訊いた。「どうしていつも一番安い部屋をお取りになるのですか?息子さんはいつも最上階で最高級のペントハウスにお泊りですよ。」ロックフェラーは「君、そりゃそうだよ、あの男にはとてつもない大金持ちの親父がいるんだよ。だけど俺にはそんな親父はいないからな。」

多角経営は悪いとは言わないが「企業理念」を失う可能性が高いので本業の価値を高め磨くことが大事とイトーヨーカドー時代に教えられた。
イトーヨーカドーはバブルの時に「不動産屋ではなく小売業」と言って不動産を一切買わなかったので生き残れた。ダイエーの破たんは小売りが原因ではなく有利子負債が原因。でも本業ではなく見えるセブン銀行をなぜやっているのか?これは本業の延長。ATMは午後6時で終わっていた時代で合法的に24時間稼働するATMを全店舗に置くためには自分で銀行を作るしか方法が無かった。イオン銀行は銀行業務をやっているがセブン銀行は銀行業務を一切やっていない。法律上は銀行でも代理業務だけ行いATMの手数料収入のみだが手数料収入だけで年間340億円の利益を出す。今アメリカに1万店、東南アジアに2万店、ATMは日本の約2万店のみ。これからアメリカにもATMが入り、東南アジアにも入るということになれば凄いことになる。今は株の買い時。

常識とは過去の成功体験、だからその延長線上に革新は無い。
セブンイレブンが新潟出店するときに商品リストに「おにぎり」を入れたら店舗オーナーが「ここは米どころで周囲は皆農家でとても米にはうるさいので工場で作ったおにぎりが売れる訳がない。」と言われ会長は「逆にもし新潟でおにぎりが売れたら全国で売れる。徹底してやってくれ。」と頼んでおにぎりを並べた。結果おにぎりは1日420万個売れるようになった。この時常識に従っていたらヒット商品には育たなかっただろう。常識を覆すことで革新が生まれその成功はとても大きなものになる。

女性を知り、特性を活かすことが大切、消費者の「損失回避の心理」とは、良い環境を作ることが質を上げるなどについても話された。

とても旨いと感じた店に人を連れて行き、「旨いだろ?」「旨いですね」を繰り返し通っているうちに旨いことが当たり前になると「味が落ちたのではないか」と思うようになる。つまり「いつも同じ」=「悪く見える」こと、これが消費飽和の怖さ。

最後に「経営者の力」とは“意欲”と“能力”と“時の運”と“健康”の和ではなく
どれが欠けてゼロになっても全てがゼロになるが、弱点があってもこの4つの内で秀でているものがあれば合計で勝てる。この内最もゼロになり易いのが健康。健康が一番と締められた。

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